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LMESシリーズ第5戦

2006.09.24 LMESシリーズ 第5戦 スペイン・ハラマ
Po. No. Cl. Team Machine Driver LAPS
1 17 LM1 Pescarolo Sport Pescarolo C60 Judd Collard / Boullion / Andre 237
2 40 LM2 ASM Racing Portugal Lola B05/40 AER Amaral / De Castro / Burgueno 233
3 5 LM1 Swiss Spirit Courage LC70 Judd Primat / Fassler 232
12 13 LM1 Courage Competition Courage LC70 Mugen Nakano / Kurosawa 217

From 中野信治:

今年最後のレースとなるルマンシリーズ最終戦は、スペイン・マドリッドから程近いハラマサーキットで行われました。
スペインは、バルセロナやヘレスと言ったサーキットにはF1時代に何度も訪れていましたが、このハラマサーキットは僕にとって初めてのサーキット。このハラマは80年代にF1が行われていたサーキットとの事。コースレイアウトは、最近のトレンドとなっているサーキットとは違っていて、小さなコーナーが連続する、どちらかと言うとゴーカートコースのようなイメージのサーキットでした。

今回のレースは3日間のイベント。金曜日に2回の練習走行、土曜日に1回の練習走行と予選。そして日曜日には1000キロ、6時間のレースが行われます。

 

金曜日に行われた公式走行では、トラブルもなく順調にプログラムをこなす事が出来、2回目の走行では、この金曜日の総合1位のタイムを記録し、トップタイムで初日を終えることが出来ました。今年のトラブルの多さから考えると、1つもトラブルが出なかったセッションは初めてかも。僕自身も今季初めて、タイムシートの1番上に名前を刻む事が出来ました。

チームメートのフランス人ドライバー、J.Mグーノン選手も2番手につけ、チームはワン・ツーで初日を終え、当然ながらチーム全体のモチベーションは上がりつつありました。チームメンバー一人・一人の動きもいつも以上に切れがあり、この1戦にチームがかける意気込みが伝わってきます。この日も最後までサーキットに残り、予選へ向けてのセットアップのミーティングを行い、僕がサーキットを後にしたのは9時過ぎでした。

土曜日も前日と変わらずドライ路面の中走行は行われました。この朝の走行では、前日の走行後に変更したマシンのセットの確認。この走行は2番で終えましたが、マシンのセットは思ったとおりに向っていない感じ。サーキットの路面の変化の読みが少しはずれたか。予選までにセットを再び変更、この日の路面、気温状況にマシンのセットアップを合わせきれるかが、大きなポイントでした。

予選は20分間。最初の10分間は他のマシンが走行し、路面が良くなるまでピットで待機。マシンに搭載している燃料は、7周分ぐらい。この10分間でクリアラップを見つけ、どこまでタイムを伸ばせるかが勝負です。そして残り10分となったところでピットアウト。予選はクリアラップは取れたものの、マシンにちょっとしたトラブルを抱えており、思うようにタイムを伸ばせない。ブレーキに少し問題を抱えてしまい完全な走りが出来なかったのですが、それでも予選は3番手で終えました。

トップをとったマシンはソフトタイヤを使用していると思われ、僕たちのマシンに比べ予選タイムが速いのは当然ですが、レースでは必ずこちらが有利になる筈。ただ2番手に入ったグーノン選手に先を越されたのが予想外でした。ブレーキの問題が悔やまれますが、レースに向けて頭を切り替える事に集中しました。この日も再び決勝に向けての戦略とマシンセットアップのエンジニアとの打ち合わせの為、最後までサーキットに残る事に。とにかくやれるだけの事は全てやって、日曜日を迎えたい。

迎えた決勝日。天気予報では雨との事だったのですが、朝起きてホテルの窓から見える空は雲で覆われているものの雨はまだ落ちていませんでした。朝1番に行われた20分間のフリー走行では、レース用のマシンのセットアップの確認を行いました。前日予選を終えてから行ったミーティングで決めたセットは悪くありません。結果、この走行は2番手で終了。この走行でレースへの確実な手応えを掴む事が出来ました。

そして12時。相変わらずの曇り空のもと、ルマンシリーズ最終戦の1000kmレースがスタートしました。

スタートは3番手をキープしたまま無難にこなし、1周目を終えたところで早くもトップの3台が三つ巴の様相を見せます。トップを走るのは今年このシリーズで全戦連勝中のペスカローロのマシン。2位にはグーノン選手。そして3番手には僕がつけ、すぐ前を走る2台のマシンの動向をうかがいながら走行を続けました。2周目以降はこの3台が他のマシンを圧倒するスピードでトップ争いを展開。10周を過ぎると早くも周回遅れが出始め、この周回遅れのマシンを挟みながらの接戦が繰り広げられました。

途中周回遅れを利用して、グーノン選手がトップに立ち、ペカローロのマシンと僕の車はテール・トゥー・ノーズのまま周回を重ね、このまま1回目のピット作業に突入。この2スティント目で、他のクラスのマシンとの接触を避けるためにマシンをスピンさせ、若干のタイムロスをしてしまいましたが、その後クラッシュ作業回収の為のセーフティーカーが入ったところで、僕は3番手のままピットに戻りドライバーを交代。トップの2台はこのタイミングでは入っていないので、この作戦が吉とでるかはまだ解りません。

そして僕から黒澤治樹選手にドライバーを交代した後、一方のグーノン選手のマシンがギヤボックストラブルの為リタイヤ。これで僕達は2位に浮上。その後ピットストップのタイミングの関係もあり、一時はトップまで順位を上げることが出来ました。
しかし黒澤選手が選手が1回目の給油に入った際のピット作業中に、フロントのライトが点かないというトラブルが発生。問題となった部分を交換しピットアウトしたものの、これで2分近くを失った模様。それでもまだトップは射程圏内、順位は2位のままでした。そして黒澤選手が2回目のピットに戻った所で僕にドライバーを交代。

給油、タイヤ交換を終えピットアウトしようとしたところ、エンジンが始動しない!どうやら電気系トラブルのようです。懸命にメカニック達が修復を試みますが、なかなか原因を見つけることが出来ません。無情にも刻一刻と時間は過ぎていきます。
結局20分以上ピットで作業を続け、ようやくエンジンに火が入りピットアウトしたものの問題は解決していませんでした。そのため再びピットに戻り作業を行いましたが、問題は完全には解決出来そうに無い様子。結局最後は前回のレースと同じく、パドルシフトが使えない状態で走行をする事に。
これらのトラブルで順位争いからは完全に脱落してしまいましたが、とにかく最後まで集中して、少しでも楽しんで走る事に頭を切り替えて走り続けました。この走行中のラップタイムは、このレースも優勝を飾ったペスカローロよりも速いもの。このスティントはパドルシフトも仕様できない状況でしたが、他を圧倒するスピードで走リ切りました。

最後のピットで黒澤選手にもう一度ドライバーを交代。無事最後まで彼がマシンをゴールに運び、今シーズン初のチェッカーを受ける事になりました。
結果は12位完走。トラブルに始まり、トラブルに終わった感のある今年の僕らクラージュ・コンペティションのヨーロッパでの戦い。少なくとも、結果としてはその通りだと思う。

悔しい?悔しいに決まっている。今年、何度こんな気持ちになった事か。トラブルが無ければ恐らく何度も表彰台に立って、そしてこの最終戦では実力で勝つ事が出来たと思っています。決して大げさではなく。僕たちにはそれだけのポテンシャルがありました。今年それだけ僕らは進歩したし、今回はそれを完全な形で証明していました。残念ながら途中までですが。悔しい思いをしたの決して僕だけではなかった筈。

僕は皆の気持ちを1つにする為に、やれるだけの事をやりました。そしてこの最終戦では、今までで1番勝つところに近づく事が出来ました。少なくとも、僕の中では勝てていた・・・。皆の気持ちも、シーズン当初とは比べ物にならないぐらい、強い物になっていました。そして何より僕自身今年は本当に、久しぶりに心から走る事を楽しむ事が出来ました。最高に集中して、楽しむ事が。だから後悔のない1年だったと、断言できます。

今年こうしてフランスのクラージュと日本の横浜タイヤ、無限エンジン、そして僕と黒澤選手が戦い、得る事が出来た物は間違いなくこの結果以上のものだったと思っています。今年こうして僕に戦うチャンスをくれたスポンサーの方々、そして共に戦った仲間達に、そして応援して下さっていた全ての皆さんに、心から感謝の気持ちを。
本当に有難うございました!

結果、絶対に諦めませんよ。
信じれば叶う!はずだからね。

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