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LMESシリーズ 最終戦

LMESシリーズ 最終戦 イギリス・シルバーストーン
Po. No. Cl. Team Machine Driver LAPS
1 1 LM1 Audi Sport Team Joest Audi R10 TDI CAPELLO / McNISH 195
2 10 LM1 Charouz Racing System Lola Aston Martin MUCKE / CHAROUZ 193
3 16 LM1 Pescarolo Sport Pescarolo Judd DUMAS / BOULLION 191
25 21 LM1 Epsilon Euskadi Epsilon Euskadi Judd NAKANO / VALLES 172

From 中野信治:

ギリギリで参戦が実現したシルバーストーンでのルマンシリーズ最終戦。
今回も共に戦う仲間は前回同様、エプシロン!

初日金曜日に行われた1回目の練習走行では、アウディ、プジョーのディーゼル2台ずつについで、5番手を獲得。言うまでもないガソリン車のトップです!

午後は雨の為殆ど走行することなく終了。

僕がチームに合流して3レース目。
確実にチームのレベルは向上し、マシンのセットアップも飛躍的に向上しています。
ルマン以降マシンセットの全てをチームが僕を信頼して任せてくれてきた事、そして僕のインプットが全てラップタイムと言う形で答えをくれています。

 

今回のレースでもマシンのセットアップは僕主導で行いました。そしてそれが全て前に進んでいる事の答え。
それは誰の目にも明らかになりつつありました。

2日目土曜日に行われた1回目の公式走行と予選。

午前中に行われた走行は、昨日の雨がまだコースを濡らしており、ウエットタイヤでのセッションスタート。雨でのバランスは良いとまではいえませんが、何とかドライブできる所まではもっていけたと思います。
僕のラップタイムは5、6番手で、ガソリン車のまさにトップ争い。

セッションが半分を過ぎたところで、チームメートのエイドリアン・ヴァレスにステアリングを託します。彼もレインタイヤのまま、走行を開始。僕と同じく5、6番手の所で周回を重ねます。
彼はF1の一つ下のクラスのレースであるGP2で頑張っているスペイン期待の若手ドライバーですが、なかなかいい走りをしているなぁ。

セッションも終盤も迎えた頃、完全ではないものの路面が乾きだし、スリックタイヤでの走行が可能になると全車タイヤ交換を開始。ピットは慌しさを増します。

最後の数周をスリックで走行した彼の順位は8番手。
残念ながらクリアラップを取れなかったようです。

チームのもう1台のマシンは、開幕からこのマシンをドライブしているスペイン人ドライバー2人がドライブしています。
ところがこのもう1台のマシンは昨日に続き不運にも今日も大きなクラッシュ・・・。
1台が好調なので、チームの中では全く対照的な空気が流れていました。
普段車を壊さない2人が相次いでクラッシュとは・・・。
でも僕はこの2人のドライバーのクラッシュの原因を完全に掌握出来ます。
一つはマシンのセットアップ。
残る一つは、大きくなる僕のマシンとのタイム差による焦りです。

午後一に行われる予選の頃には完全に路面も乾き、全車スリックタイヤでのアタックとなりました。予選はスペイン人のチームメートが担当。僕と彼のラップタイムは現在ほぼ互角ですが、やはりここはスペインのチーム・・・。
結果は7番手。結果、今季最高のグリッドポジションとなりました。この結果は決して悪くないと思います。

それ以上に重要なのは明日の1000キロを強く、速く走り続けられるマシンを作る事。
今晩のミーティングも長くなりそう。

そのミーティングでは今回意見が2つに割れました。
エンジニアとチームメートの意見と僕の意見です。

どちらがレースに向けて、本当にいいセットアップなのかを僕は知っています。
僕の持つ強さは、そのイメージする力とマシンを正確に掌握する能力にあると思っています。僕はそこに絶対的な自信を持っており、それを覆すだけの話が聞けないと絶対に折れない。
何故なら乗りにくいマシンで1000キロの長丁場を走らなければならないのは、他の誰でもない、自分自身なのだから。

僕の経験と研究に基づく「カンピューター?」は、なかなか外れる事がありません。
これは僕の武器。
これは、F1・CART・INDYの世界のトップカテゴリーで僕が手に入れた宝物でもあります。
どれだけの資料と時間を費やした事か・・・。
これは誰にも解らない。

最終的に僕のセットでレースに挑む事が決まり、ミーティングが終了。
これも骨の折れる作業です。
ヨーロッパの人間は、なかなかに頑固。ちょっと不満そうなエンジニアの顔が見て取れましたがが、明日のレースの後はどうなるか?
今回のイギリスはいつもあるはずの決勝前のフリー走行がありません。
と言う事は試せない、それだけにこのセットアップが重要なのです。

14日、日曜日。
イギリスに着いてから一番とも言ってもいい快晴の中、レースはスタート。

スタートドライバーはチームメートのエイドリアン。
1スティント目は2つ順位を落とすものの、前との差はなく状況は悪くありません。
29周目を終えたところで予定通り1回目のピットに。
ここでタイヤ交換と給油を行います。

全ての作業を終えてピットアウトしようとしたところで、何とエンジンがかからない!
またもスターターのトラブル。
前日にも起きていたトラブル、そして1年中同じトラブルが続いているらしい。
交換のため10分以上をロスすることに・・・。
ようやくピットを後にし、その後は順調に周回を重ね、再び32周を終えたところでピットイン。

今度は僕にドライバーを交代。
タイヤと給油を行いピットアウトというところで、またもスターターが!
信じられない・・・。
再び交換の為の戦争がピットのなかで始まります。
また15分ほどを要したでしょうか、スターターを交換しようやく準備が整いました。
爆発しそうな感情をなんとかぐっと抑えて、冷静さを保ちピットアウト。

今回僕にとっては初めてのシルバーストーンをドライでの走行。
懐かしい感覚。
このサーキットはなかなかチャレンジングで面白い。
周回ごとに感覚を取り戻し、ペースはガソリン車中トップとほぼ遜色のないものでした。
32周を終え、ルーティーンのピットへ、そしてここでまたもスターターのトラブル・・・。

修復してからやっとピットを後にしましたが、もうレースでの勝負権はなくしてしまっていました。
ここからは、少しでも多くのデータをチームの為に残す事ができるか。
自分達のレベルを知るためには、同じ条件で走る他のマシンと直接比較が出来る最高の舞台。
気持を切り替えて、集中したドライビングを続行。ラップタイムは悪くありません。
チームメートのベストタイムをここで僕が塗り替えます。
再び32周を完璧ミスなく走り、チームメートに最後のステアリングを託しました。

何とか完走だけは・・・。

その願いに応えるかのように、確実に周回を重ねるチームメート。
再びピットでスターターのトラブルが起こるが、もはや誰も慌てませんでした。
人間とは不思議なものです、慣れとは怖い・・・。

修復して最後は15周を残すのみとなったレース。
ここで新品タイヤを装着し、ピットアウト。
期待に応えて好タイムを出し、最後は落ち着いて周回を重ね無事チェッカーを受ける事が出来ました。

今回のレースはプラクティスで5位を獲ったところから、かなりいい流れがきていることを実感できていました。
それは感覚ではなく、手ごたえ。
それが度重なるスターターのトラブルで、手の届かない所にいってしまいました・・・。
今回はアウデイ、プジョー勢が自滅した事もあり、こちらがミスなく走れば表彰台を獲得できる
可能性があったレースでもありました。
その速さは間違いなくあったのです。

僕にとっては今シーズンのラストレースで1000km初完走。
でもレースは結果が全て。上位入賞は果たせませんでした。
これが現在のチームの力。

こうして僕の最終戦は幕を閉じました。

短い時間に大きな進化を遂げたチーム、そしてこの3レース僕を信じて共に戦うチャンスを
くれたチームエプシロンに心から感謝したいと思っています。

奇跡のような形でこのチームのルマン参戦から始まった今シーズン。最後は大きな信頼で繋がる事が出来た彼らと、再び今度はトップを争えるマシンで共に戦えれば、これ以上の幸せはありません。
まずは僕のドライバーとしての仕事を、この3レースにおいて完璧にこなせたと思っています。

この流れを来季に繋げる為にも、これからも勝負は続きますが、とにかく前に進んで行きたいと思っています。

本当に長くなってしまいましたが、今季の僕のレースレポートはひとまずここで終了です。
応援本当にありがとうございました。

再びまた皆さんにレースレポートが送れる事を願って。

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